親友ときどき上司~熱風注意報~
黙って瑞希の後ろから見守る荘司の気配に、ほっと溜め息を吐いた。
「私、隼人といると年上だからって色々無理してたみたい。上手く言えないけど、それが良くなかったんだよね。私、好きな人としか抱き合えないし、割り切れる程大人じゃないから。ごめんね。」
一気に自分の気持ちを吐き出した。
言えなかった本音と一緒に、溢れそうになる涙を必死に我慢して笑顔で隼人を見た。
ビックリして見開かれた隼人の顔が、徐々に蒼白になっていく。
「は?何だよ、それ。何、俺を振ってんだよ!そもそも付き合ってもないじゃん。」
瑞希を見下した隼人の瞳。
馬鹿にしたように可愛い笑顔を浮かべた彼は当に狂犬。
その豹変ぶりに瑞希は苦笑する。
これが隼人の本当の笑顔なのだろう。
今まで瑞希が見ない振りをしていた隼人の笑顔。