不良メイド様!
第壱章★日常
01,夏休み…も働きます。
私、千堂凜の働くところは名高い名門一家城咲家のメイド。元々不良だった私が何故名門で働けたかというと…、
「よう。働いてるか?凜」
『消え失せろくそご主人』
「相変わらず冷てぇな」
この家の息子、城咲卓人に気に入られたからである。だがひとこと言わせてもらう。
私はこの男が大嫌いだ。
『大体朝っぱらから絡むな「千堂さんっ!!」Σうわっ!?』
「主人になんて口を利くのですか!!」
『すいませーん…』
この口煩いおばさんはメイド長。入って早々に目をつけられいつも怒鳴ってきなさるかた。
『お仕事中ですのでこれで失礼します』
「待て」
『触るな変態』
「誰が変態だ」
綺麗に整った顔と高い鼻。茶色が混じった髪色…世に言うイケメンだが私は嫌いだ(2回目)。
「夏休み欲しくねぇか?」
『ご主人と離れられるならぜひ』
「俺と別荘行かね?」
数秒前の私の台詞はきっと彼の耳には届いていない。
『誰が行くかっ!!』
「じゃあ海な。明日行くぞ」
『ちょっ』
主人は嵐のように去っていった。そして背中から感じる視線が恐ろしく痛い。
『な…何か、御用ですか?聖羅様』
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