や っ ぱ り 、 好 き 。

『お姉ちゃんがね……』

「え?」

『お姉ちゃんが教えてくれたの』

「お姉ちゃん?」


深久に兄弟が居ることを

今、初めて知った。

1年近く付き合ってて

こんなことも知らなかった……


『透のこと話しててね、

もう別れたからって言って……

それで終わりだと思ってたのに』

「深久……」

『連絡取らないようにしたし

美月や亮介さんからの

連絡も拒否した……

もう別れるんだって……

透にはわたしはいらないんだって

そう思ってた。』

「深久、違う……違うんだ」


悲しそうに

今にも泣きそうな声で話す深久に

心臓がキリキリと痛み出す。



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