や っ ぱ り 、 好 き 。

気持ちと、言葉


~M~


透が静かに話し始めた。


「あの日、一緒に居たのは

深久と会う前に付き合ってやつなんだ。

ほんとに短い期間で……

別れてからも大学卒業してからも

会ってなかった。」


わたしの様子を見ながら

ゆっくり話す透。

聞きたくない。

でも、ここまで来たんだから

聞くしかない。


「2ヶ月ぐらい前に偶然会って……

とくに何か感情があった訳じゃない。

ただ……魔が差したっていうか……

ごめん、上手く言えないけど

浮気したのは紛れもない事実だ……」


わかってはいても

改めて聞くと心が冷める。


『なんで……あの日も?』



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