や っ ぱ り 、 好 き 。
「深久、聞いてくれ……
頼むから……」
酔いで頭が回るのか
またベッドに座り込む透。
「こんなこと言っても
もう遅いかもしれないけど……
これが今の俺の
本当の気持ちだから」
わたしを見る透の顔は
見たことない真剣なだった。
「鍵が置かれてるのに気付いて
写真やコップがなくなってるのに気付いて
深久にさよならって言われたとき、
初めて自分がこんなに深久のことを
好きだったんだって知った。
裏切ったことも
傷つけて悲しませたことも
許して欲しいとは言わない。
でも、これだけは信じて欲しい。
俺が好きなのは深久だけなんだ。
深久が居なくなって
自分の部屋が嫌になった。
深久の動く音も呼吸も
何も聞こえないこの部屋に居るのが
苦痛でしかなかった。」
下を向いた透の目線の先……
床に、雫が落ちた。
*