処体験ガール(shotaiken girl)vol.5
あんまり、花美に会わせろ会わせろ、うるせぇから、適当に誤魔化しといたのに、
“だったら、あんたのカードも口座もぜ~んぶ凍結してやる!!”
とうとう、痛いトコついてきやがった。
クソッ……
未成年なんて、マジろくでもねえ。
「ちょっと、伊都。ふてくされてんじゃないわよ!ちょ~っと花美ちゃん借りるだけでしょ?」
「ふてくされてなんかねぇよ!じゃあ、もうオレ行くからな!!7時にまたここに迎えに……って、オイ!!」
オレの話なんか、まるで聞いてねぇ!!
サッサと二人して、待たせてあった車に乗り込んでやがる。
でも、後部座席に母さんと並んで座っている花美は、
やっぱ、すげえキレーで……
この程度離れただけなのに、めちゃくちゃ遠く感じる。
母さんに、何を話しかけられてんだ?
花美が少し頬を染めて、笑った。
――ムカッ……
あんな顔……
オレには見せねぇクセに……
一気に不安に襲われて、カラダが強張る。
いくらオレだって、いいかげん気づいてんだ。
花美はどんどん笑わなくなってる。
毎日そばにいて、抱きしめてんのに、
時々、夢ん中でうなされてて、
今日だって、気持ちよさそうに寝てたはずなのに、
いつの間にか伏せた目から涙が溢れていた。
――何考えてんの?花美……
――またどっか行って、このまま帰ってこないんじゃね?
正直、こないだみたいなのは勘弁してほしい。
あれは……
まだ、花美を抱いてなかったから、理性だってそれなりに保ってられただけで……
今度は……
もう、無理だ。
お前が他のオトコと……何もなくても一緒にいるなんて、許せねぇ。
自分でも何すっか、見当もつかね……