処体験ガール(shotaiken girl)vol.5
軽くパニくってると、
「なあ、何泣いてんの?」
「……ぅへ!?」
佐々くんの声と同時に、
くるり!
あっという間に体制を入れ替えられて、今度は真正面に抱き合う形になる。
一瞬だけ、見つめ合って、
視線が外され瞬間、佐々くんの唇が、もう一度、私の眼もとに触れた。
「ひゃ、ぁっ!」
「なあ、なんで?」
ほんの少し首を傾げながら、心配そうに覗き込む。
完全にキスの距離!!
「っや、近…っ!近いよお!!……もおちょっと離れてぇえ~っ!!」
ぐぃいい~~っ!!
――ムッ。
……って、佐々くんがしたのは気づいたケド、
とにかく構わず押し返した。
だって、甘いっ!
甘甘すぎる!!
そりゃ、スキだけどっ……
スキって言っちゃったケド……
そのへんは、ちゃんと、覚えてたりするんだケド……
でも、
その……、勢い余って、っていうか?
あの時は、なんだかいっぱいいっぱいで……
あとさき考えずに言っちゃったから……
「……言えよ」
「え……!?」
聞こえるか聞こえないかの小さな声が、耳を掠めたと思った瞬間、
ぎゅぅうううっ!!
息が止まるほど、強く抱きしめられた。