全部、私からだった。
りっくんはいつだって、何に対しても全力で。そこが大好きなんだけど、でも……。


私は置いてきぼりにされている気がして、時々寂しくなる。



そんな私の気持ちに気付いたのか、

「多恵、どうした?」

と、心配そうにりっくんは私を見下ろした。



黙ったままジッと見詰めていると、困ったように笑う。



大好きだ。

私はこの人が、好きで好きでたまらない。


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