全部、私からだった。
同じ車両に乗り合わせている人たちが、チラチラとこちらを見ているけれど、そんなのどうだっていいんだから。



「悪かったよ。俺の態度が多恵を傷つけたんなら謝るよ。ただ俺は、多恵に色々求め過ぎたら、この関係が終わるかもしれないって。それが怖いんだよ、とても。

その……多恵がこうして俺と会ってくれてることでさえ、今の俺にはまだ、信じらんねぇから」


申し訳なさそうに眉根を下げて、りっくんは謝った。



りっくんの気持ちは、凄く嬉しい。

けれど、それ以上にもどかしい。


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