全部、私からだった。
「では、遠慮なく。いただきまーす」


もう食べちゃいますから。だからりっくんも、私を食べちゃってください。

本気でそう思う。



りっくんは、見た目、超ワイルドなくせに、びっくりするぐらい奥手なんだから。

そんな計算無しのギャップが、これまた最高に魅力的。



私の彼、りっくんは、世界一イイ男だと思う。

うん、絶対。



やっぱり、

お料理は全部食べきれなかったけれど、りっくんが私の分も綺麗に平らげてくれた。



空になった食器は全て下げられ、大きな座卓の上には何も無くなった。そしたら、りっくんがなんだかもの凄く遠く感じて。


また寂しい、と思ってしまう。

愛しくてたまらない人は目の前に居るってのに。


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