全部、私からだった。




翌日。



朝目覚めると、私はりっくんのベッドの上に一人ぼっちで寝ていた。

全裸で。



寝る直前にも私たちは愛し合って。

そのままいつの間にか眠ってしまったみたい。



とりあえず、お腹に掛けてあった肌布団を身体に巻きつけ、部屋中を探し回った。



りっくんは、私の我儘にとうとう愛想を尽かしたのだろうか。

ふと、そんなことを考えてしまい、とてつもない不安に襲われた。



トイレかな?

だとしたら、居るかどうかの確認の為だけに、声をかけるのもなぁ。出るもの出なくなったら困るし。



そんなことを思いながらウロウロしていると、玄関から鍵を開ける音が聞こえてきて、弾かれたように玄関へ向かった。



ガチャリとドアが開き、部屋へと入って来たのはやっぱり、私の愛しい人。


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