monopolize
「色々と…ね…」



“ちょっと疲れちゃった”呟くと、無理やり笑顔を作るあたし。



初めは龍二と繋がれるだけで満足してたのに、だんだん欲が出てきて、いつの間にかあたしだけを見て欲しいと思う様になってた。



所詮、あたしはただの欲を満たすだけの道具。



それは分かってるつもりだった。



でも…だっただけで、本当は分かってなかったのかな…あたし。



『ケンカでもした?』

「ケンカって誰と?」

『藤木先輩…』



意外だった。

龍二との関係は、誰にも言ってなかったから。

言う必要も無かったし。



「知ってたんだ…。いつから?」

『ん~、5ヶ月位前?』



ちょうど関係を持ち始めたのも5ヶ月前。

まぁ、隠してた訳じゃないけど…。



ただ言わなかっただけ。



『早く仲直りしろよ?』



フッと笑みを漏らす恭汰。

今のあたしには、眩しすぎるよ…。



「ケンカしてないから…」

『じゃあ、何が原因?あ、浮気されたとか?』



“先輩、たまに女連れてるもんな…”



ストレートな恭汰に、胸がズキッと痛む。



「随分、はっきり言うね?」

『良く言われる』



恭汰は、悪びれる様子も無くフッと笑みを漏らした。


 
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