お前に全て、奪われた。 Ⅰ
「私と瞳を合わせたら、あなたの何かが奪われてしまいます…だから瞳を合わせないで…。」
美しい容姿に、このか細い声、折れてしまいそうな細い身体。
彼女に纏うオーラに儚さを感じた。
そして、無理矢理顔を前に向けさせた。
「…やめて下さい…っ」
思わず、藍色の濡れた瞳と、視線が合うと、同時に心が締め付けられる。
「もう手遅れってこと…か。」
お前に俺は全てを奪われた______