最愛〜最高の涙を君と…〜
「家まだ?」
「まだ10分しか歩いてないんだけど」
「近いって言ったのに」
むすっとした顔をしながらも
歩き続ける一ノ瀬颯。
やばい、思い出したら
段々こいつといるのが
嫌になってきた。
「ていうか、あんたいつまで俺にタメ口きくつもり?」
「は?ずっとだけど。ていうか、あんたじゃないし」
「ふーん、麗って呼んでほしいんだ?」
「いちいち勘に障る言い方しないでくれる?」
「じゃぁ、俺のことも颯って呼んでよ」
「ウザイ」
―――――――グィ。
繋いだ手をいきなり
引っ張られて
体が引き寄せられた。