最愛〜最高の涙を君と…〜






「あ、家ここだから」

「そ。本当に一人暮らしなんだ」

「……嘘ついてどうすんの」

「じゃ、また明日」

「うん」




一ノ瀬颯は元来た道を
戻っていった。




「あ、」





お礼…言ってない。





「颯!」





気づけば呼び止めていた。
颯が振り返ったから、




「ありがとう………おやすみなさい」



少し控えめにそう言うと
颯は何も言わないで
手をひらひら振りながら歩いていった。






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