最愛〜最高の涙を君と…〜
それから颯は
何も言わなかった。
だからあたしも
何も話さなかった。
やっぱり颯との間に流れる
沈黙は心地いい。
駅前で大輝さんに会った。
「こんにちは大輝さん」
「おー麗ちゃん」
「俺もいるんだけど」
そう言う颯を無視して
大輝さんは話し続けた。
「買い出ししてたんだよ。すれ違いになんなくて良かった」
「あ、そうだったんですか」
大輝さんは両手に
大きな袋をぶら下げていた。
「なんかお前ら、そうしてると本当にカップルみたいだな」