最愛〜最高の涙を君と…〜
「…………」
何言ってるの。
「…………」
そんなこと言われたら
あたしは期待する。
女遊びもやめて、
毎日手も繋いで、
家まで送り届けてくれて、
とどめは、
他の男なんて見なくていい?
ねぇ、あたし
期待していいの?
「………颯?」
臆病なあたしは
なにも聞けない。
「……………」
だけど、颯も
何も言ってくれない。
あたし達はしばらくの間
見つめあっていた。
それから颯は
何事もなかったかのように
あたしの掴んでいた手を
引っ張って歩き出した。