最愛〜最高の涙を君と…〜





「…………」




何言ってるの。




「…………」




そんなこと言われたら
あたしは期待する。



女遊びもやめて、
毎日手も繋いで、
家まで送り届けてくれて、



とどめは、
他の男なんて見なくていい?



ねぇ、あたし
期待していいの?




「………颯?」




臆病なあたしは
なにも聞けない。





「……………」





だけど、颯も
何も言ってくれない。









あたし達はしばらくの間
見つめあっていた。


それから颯は
何事もなかったかのように
あたしの掴んでいた手を
引っ張って歩き出した。







< 232 / 358 >

この作品をシェア

pagetop