最愛〜最高の涙を君と…〜
――――――ガラガラガラ
「あら、麗ちゃん」
病室のドアが開いて
入ってきたのは颯のお母さん。
あたしは急いで涙を拭いた。
「…………こんにちは」
颯にそっくりの
綺麗な顔立ちをした上品な女性。
「麗ちゃん、いつもありがとう」
毎日この病室に来るあたし。
もちろんそれは颯のお母さんも同じ。
学校に行ってないことも
分かっているだろうけれど、
何も言ってこなかった。
「…いえ」
「ねぇ、麗ちゃん」
颯のお母さんは
あたしの横に腰かけて
ゆっくりと話し出した。