綺羅☆きら☆
「話終わったから。」
綺羅がそう言ったが、
年老いた男が鈴が来たとたんに、
「君はイブじゃないよ」と言った。
綺羅は舌打ちした。

「イブって、あの青い書類のかな?」

「違うよ…あの真似には違いなさそうだけど。
鈴は気にするな。」

綺羅はそう言ったが、年老いた男が書類を鈴に見せた。
研究所にあった、アダムとイブ計画の書類だ。
あれよりも厚いので原本だろう。

鈴がそれに目を通すと綺羅を見た。

「俺たちには関係ないよ…。」
「けど、アダムは綺羅って書いてあるよ…!」

鈴は泣きそうだった。
綺羅に婚約者が居たようなものだからだ。

「マジ関係ないよ…。」
綺羅が鈴をなだめるように言った。
鈴は落ちつこうと綺羅の目を見つめる。
本気の目だった。
鈴は少し安心した。
しかしそれに水を差すように、年老いた男が言った。

「大いに綺羅さんは、
関係あります!」
< 33 / 42 >

この作品をシェア

pagetop