メガネ王子


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キーンコーンカーンコーン

学校が終わりのチャイムが鳴ると、あたしは誰よりも早く教室を出る。

教室をでた瞬間。
同中でBクラスの愛海(まなみ)に話しかけられた。
「優来(ゆら)、今日遊ぼうよ!」
「愛海ごめん!悪いけど駄目だぁ」
「今日も病院??」
「うん!!」
「そっかー、バイバイ!」
「バイバイ!」

あたしが病院へ行く理由は、お母さん。
命に別状は無いけれど、手術するため入院してる。

大好きなお母さんの為なら、毎日でも病院へ行く。


病室のドアをノックして、お母さんの元へ駆け寄る。
お母さんはすやすやと気持ちよさそうに寝てる。
早く、退院して、一緒にお家でご飯食べようね…。


やばい、うとうとしてきた。
今日も勉強疲れたな…。

……―――――

あたしの記憶が戻ったのは、看護師さんの声で起こされてから。


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