メガネ王子
ピーという音。
走る人の足音。
「すみません!起きてください!!」
「…ん」
あたりはもう真っ暗。
最近寝不足だったからな……。
「優子さんの容態が!今すぐ緊急室に移動します!!」
え?
お母さんがどうしたの??
あたしは状況がよめなくて、ただただ運ばれてく苦しそうなお母さんを見てた。
それをみかねた看護師さんが話しかけてくれた。
「お母さん、ちょっと体調悪いけど、大丈夫ですよ…。」
そんなの、分からないじゃん。
今から手術するんでしょ?
「お父さんは、もうすぐ着くから落ち着いて。」
お父さん…。
早く来て。
それからあたしは、ぽつんと病室にいた。
お父さんが来てすぐ、いきなりあたしを抱きしめた。