メガネ王子


そして大好きだったお母さんは、亡くなった。

――――

「実は、3年前からこうなることは分かってたんだ…。優子が、お前に言うなって言い張るもんだから…。黙ってて、ゴメンな………。」


そんな…ヒドいよ!!

って怒りたかったけど、そんな気力は大泣きしたあたしには残ってなかった。

「うん…。」


「優来って名前、気に入ってるか?」


すごく、気に入ってる。
よく友達に羨ましがられた。

「その名前な、お母さんが考えた。優しい、未来が輝く子に育てようねって。だから、名に恥じないように生きるんだぞ。」


お母さん、ありがとう。
すてきな名前をありがとう。

名前も、お母さんも大好きだよ。


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