君の笑顔、独占中。



「あの点数取れたの、誰のおかげだっけ?」

「あたしの努力と頑張り「誰のおかげ?」…あんた」

「そうだよね。じゃあお礼必要じゃない?」

「あんたってうざいよね」

「じゃあ行こっか!」


腕を掴んだまま歩きだすあいつ。

って、ちょっと待ってよ!


「今日じゃなきゃだめなの?!」

「うん、俺忙しいから」

「あたしだって絢乃とっ」

「俺忙しいから」

「絢乃と約束が…」

「忙しいから」


いつもより低い声で、少し掴んだ手に力を入れられた。

え、何こいつ…怖いんですけど。


仕方ないから絢乃に振り返ると、ゲラゲラ笑ってた。


「ごめん絢乃!」

「いいよー面白いもの見れたし♪」


ひらりと手を振ってくれて、ほんとはやだけど、すっごいやだけど。



あいつと教室を出た。
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