君の笑顔、独占中。



アイスクリーム屋さんに着くと、何食べたい?なんてあたしの顔を覗き込んだ。

店員さんは、ちょっとこいつが可愛いからってニヤニヤしてるし。


手繋いでるから、勘違いされてるだろうな。


「ストロベリーチョコ」

「じゃあそれと、チョコバナナで」

「お待たせしました!これおまけですっ」


明らかに目がハートな店員さん、チョコバナナの方だけちっちゃいおまけアイスつけたし。ずるすぎる。


軽く不機嫌になりながら近くのベンチに座ると、隣に座ったあいつがくすっと笑った。


「なに由秋、欲しいの?おまけ」

「別にいらないし」

「めっちゃ不機嫌じゃん」

「別にいらないし」

「あげるよ?」

「だからいらないって…!」


あまりにしつこいからあいつの方を向くと、強引におまけアイスを押し込まれた。

あまりの美味しさに、自然と頬が緩む。


「美味しい?」

「うん!」

「じゃあ俺ももーらいっ」


言うと、パクっとあたしのアイスを食べた。
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