君の笑顔、独占中。



嫌な予感っていうのは当たるもので。


放課後あたしの手を掴んだあいつは、有無を言わさず走り出して。


ついた場所は、
「…図書館?」
だった。



「由秋、勉強嫌い?」

「……そりゃあ、」

「じゃあ好きになろう!」

あたしの両手をあいつの両手で包んで、ぶんぶん振った。


「授業マジメに受けてるのに頭に入らないのは、やだからでしょ?好きになれば楽しくなって頭に入るよ、きっと」

「勉強好きなやつなんているの?」

「俺は好き!」

にっこり笑うあいつに、少し胸が苦しくなった。


…なに?この苦しさ。
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