クロス×ラブ
放課後、何とか一日を過ごした二人は、校門で待ち合わせをすると昨日露店を見かけた場所に行った。

そこには、昨日と同じ場所にあの黒いローブの人。

「あの…、昨日ここでこのお守りをもらったんですけど、そしたら、それから、大変な事になっちゃって。その…」

「二人が入れ変わったんですね…」

どう説明したらいいか分からない状況に、頭が沸騰しそうになる沢口だったが、そんな心配をする必要はなさそうだ。

「あなた達二人に煩悩が見えます…」

「煩?」

「悩?」

二人とも、あまりにも素っ頓狂な言葉に口がふさがらない。

「祈願成就のお守りは、その者の清らかな願いなら一生消えない幸せを与えますが、その願いが煩悩なら108夜の呪いを与えるといいます」

「呪い、ですか?…」

あまりにも衝撃的な内容に、山谷さんは声も出ないようだ。

そうなれば私がこの人に聞くしかない。

「ええ、あなた達の願いが恋愛に関する、禁忌的な願いだったからお守りは呪いを与えたのです」
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