* promise *
『怪力女…』



おつまみを口に含みながら潰れた缶を見つめるヒロに。

“この缶柔らかいの!!”苛立ちの矛先を何処に向けていいか分からない私は、ただお酒を飲んで紛らわすしかなかった。



『黙ってりゃそこそこいい女なんだけどな…』

「そこそこってなによ」

『そこそこはそこそこだろ。それより性格直せば?』



“じゃねーと、俺が困る”



確かに、別れる度にヒロの家に転がりこんでる私は迷惑以外の何者でもない。



「そうだね…」



幼なじみとはいえ、ヒロだって毎回付き合わされたら嫌にもなるよ…。



『珍しく素直じゃん』

「うっさい」



“…帰る”そう言うと、缶ビールを1本だけ持ち玄関に向かった私。



“家着いたら、連絡よこせよ?”



一応心配してくれてるのか、そんな事を言うヒロにヒラヒラと手を振ると、玄関を後にした。


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