* promise *
「なによ…」



なんでヒロはいつもそうやって私の欲しい言葉をくれるの?

彼氏に言って欲しかった言葉を、なんであんたが言うのよ…。



まるで駄々っ子をあやす様な優しい眼差しに、我慢していたもの全てが溢れだしていくのがわかった。



堰をきったようにワンワン泣く間中、なにも言わずただ頭を撫でてくれたヒロ。

一頻り泣いて落ち着いた私に“送ってやるから”優しく微笑むと手を取った。



「あの日もそうだったよね…」



滑り台の上で叫んだ後、滑って降りてきたヒロは私の手を取り“送ってやるから”そう言ってくれたんだ。



『覚えてたんだな』

「あの公園に行くまで忘れてたけどね」



ヒロはあの頃からずっと変わってない。

いつだってこんな私を心配してくれて。

いつだってこんな私を受け入れてくれてた。

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