青空バスケ
誰もいない静かな部室。
あたしはため息をつきながらイスに座った。
「……大和は?」
「……ホームルームが終わったらすぐに帰っちゃった」
「……そうか」
村山君もあたしの向かい側に座った。
少しだけ……沈黙の時間が流れる。
「……昨日、アイツどうだった?」
大和といたこと……知ってるんだ。
……あたしはゆっくり首を横に振った。
「疲れたって……言ってた」
「………………」
「辛そうだった。
……壊れちゃいそうだった」
岬、と村山君があたしの名前を呼ぶ。
ふと目元を触ると……濡れていた。
あたし……また泣いてる……。
「……ごめん」
「いいって。
岬の気持ちも分かるよ」
そう言うと、村山君はロッカーの中に入ってるカバンからハンカチを出してあたしに手渡した。
「……ありがとう」
村山君の優しさにまたじわっと来た……。