青空バスケ
「大和!」
パスが回ってきた。
ドリブルをしながら相手をかわす。
……そうだ。
俺が唯一抜くのがキツイのは谷先輩。
……だったら、それ以外は抜いてみせる。
行けー!!
と誰かが叫んでる声がする。
……そんな俺の前に谷先輩が立ちはだかる。
……パスか?
いや……みんなマークされてる。
出してもきっと取られる……。
第2クォーター終了まであと2秒。
……やるしかない。
俺は谷先輩と睨み合うのをやめ、その場で跳んだ。
谷先輩は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにブロックしようと追いかけてくる。
……入れ!
そう思いながらシュートを打った。
弧を描いて飛んでいくボール……。
……だが、谷先輩の指先がボールをかすめた。
軌道を変えられたボールは……そのままリングの端に当たって……落ちた。
……第2クォーターが終了した。