青空バスケ
俺のボール裁きで……どうやってここを切り抜ける?
……ダメだ。
やっぱり抜け穴なんて見つけられない……。
だけど……この人を抜かないと……
『………………大和。』
……栞奈の声が聞こえた気がした。
頭の中で響く……栞奈の優しい声。
……その瞬間。
「………見えた!」
シュッと音をたてるようにボールを操って駆け抜ける。
「何っ!?」
谷先輩の驚いた声が聞こえる。
構わず俺は走り続けた。
追っ手が来るが、ボールを操って全部かわしていく。
そしてそのまま……
シュートを決めた。
オー!!と沸き上がる歓声。
先輩達が笑顔で俺の肩をポンッと軽く押す。
……抜いた。
……とうとう抜いた。
あの谷先輩の……鉄壁のディフェンスを……。