青空バスケ
都内に数ある高校の中からたった三校しか出場できない大会。
それがインターハイ。
イトコであるハル兄はそんな狭き門をくぐり抜けてきていた。
「あ、ハル君だ」
ユニフォーム姿で少し緊張した面持ちで出てきたハル兄。
いつもの優しくてニコニコしていたハル兄とは少し違った。
しばらくして始まった試合。
バスケを始めたばかりの俺にとって、高校生の全国大会は目を見張るものばかりだった。
それは隣にいた栞奈も同じだったみたいで、時々隣から感嘆の声が聞こえてきた。
「すごい……すごいね!大和!」
今までバスケに興味のなかった栞奈が初めてバスケで目を輝かせた瞬間だった。