青空バスケ
「相変わらずムカつくヤツっすね!!」
花井君が床を蹴りながらそう言った。
それを見て谷先輩が苦笑する。
「本当はすごく優しくて良いヤツなんだよ。
今は大和と敵対してるから悪いように見えるだけさ」
「谷先輩……アイツの味方するんですか」
「違うの大和!
暁弥は………」
楓先輩が何かを言いかける。
大和が怪訝そうに楓先輩の方を見る。
「何ですか?
姉御、ちゃんと言ってください」
「暁弥は………」
楓先輩がチラッと谷先輩の方を見た。
谷先輩は諦めたように息を吐いた。
「……暁弥は辞めたくて部活を辞めたわけじゃない」
「え………?」
辞めたくて辞めたわけじゃ……
じゃあ……どうして?
どうして……あんな風に……
あたしの頭の中で様々な疑問が出てくる。
それは大和も同じだったみたいで、呆然と谷先輩の方を見ていた。