青空バスケ
「どうも」
大和が峰原さんに軽く頭を下げた。
「聞いたよ。
君が青桜のエースなんだって?
あの谷を抜いたらしいじゃん」
「あぁ……アイツに聞いたんですか」
「アイツ?……アキのことか。
違うよ、風の噂。
まぁ……アキからは別のことを聞いたけど」
別のこと……?
あたしが首を傾げていると、峰原さんはクスッと小さく笑いながら答えてくれた。
「ケンカしてるらしいね。
中二の夏から」
「……そうですけど」
「何があったか詳しくは聞かなかったけど。
まー……アキが部活辞めたってのはしょうがないよな」
「しょうがないって……どういう意味っすか」
大和がぶっきらぼうにそう言うと、峰原さんは少し不思議そうな顔をしながら口を開いた。
「だって、そうだろ?
あのまま続けてたら一生バスケできなくなってたかもしれないし」
…………え?
……どういうこと?
一生できなくなるって………
何の話……?