青空バスケ

みんなが心配そうに大和を見つめる中、監督が口を開いた。


「花井。準備しとけ。
次、高瀬と交代だ」

「え……?
俺っすか……?」


花井君が驚いた顔で監督を見て、大和は勢いよく顔を上げた。


「……俺、まだやれます」

「別にお前が疲れてるからとかそんな理由じゃない」


監督はじっと真剣な目で大和を見つめた。


「俺はお前に賭けた。
第3クォーター、力を温存しろ。
……そして、最後に逆転してこい」

「監督………」

「賭けたからといって、背負い込む必要はない。
……最後までお前らしくプレーしろ」

「……はい」


このままハイペースな試合を続ければ、きっと先頭でアキ君を相手にしてる大和は最後で持たなくなる。

それを考慮しての交代でもある。


「翔太……お前、大丈夫か?」


横で落ち着かずにオロオロしてる花井君を心配して、蓮ちゃんが話しかけた。


「だ、大丈夫れす!!」


……噛んでるよ、花井君。

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