青空バスケ

「……久々に楽しかった」


一番初めに口を開いたのは暁弥だった。

その言葉に俺は顔を上げて暁弥の方を見る。


「……大和と試合できて、本当によかった」


……その時の暁弥の笑顔は、中学生の時と何ら変わっていなかった。

眩しいほどの、本当に嬉しそうな笑顔。


「……俺も。楽しかったよ」


……俺がそう言うと、笑顔だった暁弥の顔が少し歪んだ。

……暁弥の目に涙が溜まっているのが分かった。


「アキ……?」

「……もう一生こんな風に試合なんてできないと思ってた。
っ……もう一生……バスケができなくなるって……思ってた」


……暁弥……。


怖かったはずだ。

治ったはずの肩の故障が再発して。

大好きなバスケができなくなるかもしれないと知って……。


それでも……ずっと一人で闘ってたんだよな。


またいつか……楽しくバスケができる日を待ち望みながら。


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