青空バスケ
「栞奈の抱きつき癖、まだ治ってなかったんだな……」
「コイツ、人にくっつくの好きだから」
「だってっ……」
暁弥に抱きついたまま泣き止まない栞奈の頭を撫でた。
「……また……三人で一緒に笑える……?
一緒に過ごせる……?」
震える声で栞奈が絞り出した言葉。
それは栞奈がずっと願ってたことで……ずっと叶わなかったこと。
「学校が違うから前みたいに毎日ってわけにはいかないけど……たまに集まって一緒に遊ぶことはできるよ」
暁弥がそう答えると、栞奈は涙でグチャグチャの顔で嬉しそうに笑った。
……誰よりも俺達のことを心配して、誰よりもこうなることを望んでいた人。
一番近くで見守ってくれて……何度も泣かせたこともある。
……だから、こうやって前みたいに笑い合えるのは奇跡なんじゃないかって。
……いや。
……俺達三人がこうやって出会えたこと自体が奇跡なのかもしれない。
この広い世界で三人が出会い……笑って……喜び……そしてケンカして。
それは全て奇跡で……かけがえのないもの。
「二人とも……大好き!」
だから……この奇跡を大切にしていこう。
何よりも大切な……この二人の存在を。
三年分の空白を今日から埋めていこう。
まだ遅くはないはずだから。
だから……また一緒に笑おう。