青空バスケ
暁弥と別れ、俺達は先に行った監督達の後を追いかけていた。
「んー……どこ行っちゃったんだろ……」
「いないな……」
だけど、外に出ても監督達はどこにもいなかった。
まぁ……俗に言う、迷子。
「大和……」
不安そうに栞奈が俺の方を見た。
寂しがりやのチワワだ。
「下手に動くと余計迷子になるかもしれないから、とりあえずそこ座っとくか」
この辺にいるはずだし。
あまりにも遅くなったら探しにくるだろう。
そう思って近くにあったベンチに二人で座った。
「……何か、二人で迷子になるなんて久々だね」
「あー……昔はよく二人でほっつき歩いて迷子になったよな」
「いつも大和が困ってたよね」
「お前が泣くからだろ」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
昔から泣き虫で甘えん坊な寂しがりやのチワワだった。
いつも俺にくっついて、困らせられた。
「まぁ、いい思い出だよね」
「俺にとっては悪い思い出しかねぇんだけど」
栞奈を泣き止ませようと俺がどれだけ頑張ったことか……。