青空バスケ
本当に……本当にいつも一緒にいた。
栞奈のことなら何でも分かる。
その表情一つで、大抵のことは分かる。
これから先……栞奈がいつか俺の隣からいなくなるなんて、今の俺には考えられない。
それぐらい……17年もの間、ずっと一緒にいた。
「……栞奈」
「ん?」
「……ごめん」
栞奈が少し驚いたような顔をしてこっちを見た。
「どうしたの……?」
「……約束。
守れなくて……ごめん」
……連れていくって、言ったのに。
決勝リーグすら行けずに……負けてしまった。
……栞奈は少し動きを止めた後……いつものように優しく笑った。
「……そんな、謝らなくてもいいよ」
「でも……」
「あたし……知ってるよ?
大和が今日までどれだけ頑張ってきたか……全部知ってるから」
だから……と栞奈は続ける。
「それだけでいいの。
大和が頑張ったっていう……約束を守ろうとしてくれたっていうことだけで……あたしは十分だよ」
……栞奈が小さな手でそっと俺の手を包み込んだ。
……温かい。
どうしようもなく……温かかった。