青空バスケ

本当に……本当にいつも一緒にいた。

栞奈のことなら何でも分かる。

その表情一つで、大抵のことは分かる。

これから先……栞奈がいつか俺の隣からいなくなるなんて、今の俺には考えられない。

それぐらい……17年もの間、ずっと一緒にいた。


「……栞奈」

「ん?」

「……ごめん」


栞奈が少し驚いたような顔をしてこっちを見た。


「どうしたの……?」

「……約束。
守れなくて……ごめん」


……連れていくって、言ったのに。

決勝リーグすら行けずに……負けてしまった。


……栞奈は少し動きを止めた後……いつものように優しく笑った。


「……そんな、謝らなくてもいいよ」

「でも……」

「あたし……知ってるよ?
大和が今日までどれだけ頑張ってきたか……全部知ってるから」


だから……と栞奈は続ける。


「それだけでいいの。
大和が頑張ったっていう……約束を守ろうとしてくれたっていうことだけで……あたしは十分だよ」


……栞奈が小さな手でそっと俺の手を包み込んだ。

……温かい。

どうしようもなく……温かかった。

< 195 / 201 >

この作品をシェア

pagetop