青空バスケ
「……何だかんだ言って、いつも励まされてるのって俺の方かもな」
「え……?」
「何かあるとこうやって……いつも栞奈に励まされてた気がする」
いつも手が温かいんだ。
その温もりがじんわりと俺の体を温めていく……。
「……大和は自分の中で溜め込んじゃうから。
なかなか本音言ってくれないから……中三の時みたいにまた壊れそうになっちゃうのは……嫌だから」
「栞奈………」
「大和はね、笑ってバスケしてる時が本当に一番キラキラしてるの。
……それを見ると、すごく安心するんだ」
バスケをするのも嫌になった時期があった。
部活に行くのが苦痛で。
……そんな俺をずっと心配してたのはやっぱり栞奈で。
さりげなく隣で支えてくれた。
無理しないでいいんだよって聞こえた気がした。
「……大和だって負けて悔しいんでしょ?
本当は泣きたかったんでしょ……?」
……負けた瞬間。
涙は流さなかった。
泣きたいほど悔しかったはずなのに、涙は出なかった。