青空バスケ

「……多分さ、心のどこかで思ってたんだろうな。
暁弥に負けるなら本望だって」

「大和……」

「もちろん負けるのは悔しいけど。
他の知らない奴に負けるより、暁弥だったら……まぁって。
それぐらい暁弥は俺の中で存在がデカかったんだと思う」


負けるのは悔しい。

だけど、ライバルに負けるんだったら……それは悔しい思いよりも、次こそは!っていう意気込みへと変わっていく。


「そっか」


栞奈がにっこり微笑んだ。


「……それに」

「ん……?」

「栞奈に言わなきゃいけないことがあったしさ。
泣いてたらちゃんと伝えらんねぇし」

「何?」


チワワのような目でこっちを見てくる栞奈。


……小さく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。


ずっと……ずっと伝えたかったこと。


「……本当はインハイに行ったら言いたかったんだけど」


もう……来年まで先伸ばしはできない。




「……俺……栞奈が好きだよ」




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