青空バスケ

そんな大和の様子に気がついたのはあたしだけじゃなかった。


「アズイチってお前らの同級生がいるところだっけ」


大和の姿を目で追いながらあたしに話しかけてきたのは蓮ちゃん。


「……うん、そうだよ。
大和の一番の親友だったの」

「東第一高校……ね」


蓮ちゃんは少し黙ったまま対戦表を見つめると、フッと小さく笑って大和の方に行ってしまった。


「大和、勝負だ」

「蓮?」

「俺が勝ったら明日の昼飯奢れよな」


そう言うと一方的に大和からボールを取り、ゴールへ走る蓮ちゃん。


「……上等だっつーの」


大和も火がついたように蓮ちゃんを追いかけ始める。


……うん。

やっぱりあたしはバスケをやってるキラキラした目をした大和が好きだな。

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