青空バスケ
その日の帰り道。
あたしは思い切って大和に聞いてみた。
「ねぇ、大和」
「んー?
何だ?腹減ったか?」
「違うよ。
……覚えてる?約束」
約束?と大和が不思議そうにこっちを見た。
「ついこの前したばっかじゃん」
「それじゃなくて。
……アキ君との約束」
それを言った瞬間、大和の足がピタリと止まった。
「……んなもん、忘れた」
「大和……」
「言っただろ。
俺がお前をインハイに連れてくって」
「……でも……」
「余計なこと考えんな」
大和の目がまっすぐあたしを捕らえた。
「……俺だけ見てろ、バカ」
それだけ言うとフイッと目をそらしてスタスタと歩き出してしまった。
……不意打ちなんてズルイ。
ドキドキが止まらない……。
……バカはどっちだよ。
そんなことを思いながらあたしは小走りで大和の隣に並んだ。
「……見てるよ」
「は?何か言った?」
「何でもない」
ずっと……ずっと大和だけしか見てないよ、バーカ。