青空バスケ
でも、杉崎先輩はバスケはすごい。
バスケとなるとガラリと顔つきが変わり、すごく真剣になる。
「やっぱすごいねー、杉崎は」
「夏樹がその口調で騒いでたら杉崎そのものだな」
「えー、ひどいよレイレイ」
「でも、本当に杉崎は強い。
Cブロックは三里が勝ち上がる可能性が高い」
……一昨年のことを思い出しているのか、鳴瀬先輩の言葉のあとは先輩達は静かだった。
一昨年、一年生ながらスタメンとして出場していたらしい鳴瀬先輩、南雲先輩、相沢先輩。
どんな試合だったんだろう……。
気になるけど……何となく今は聞かない方がいいと思った。
すると、栞奈がチョイチョイと俺の制服の裾を引っ張ってきた。
「どうした?」
俺が聞くと、栞奈は何も言わずにケータイの画面を見せてきた。
「これ……」
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From 杉崎和也
sub てへぺろ☆
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今日三人で一緒に帰
ろー!!
部活終わるまで待って
てチョ~!!
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「あの人、いつの間に……」
「杉崎先輩らしいね。
どうする?大和」
「どうするって、待つしかねぇだろ」
「大和、嬉しそうな顔してるね」
「栞奈だって」
俺達は顔を見合わせて笑った。