青空バスケ
「俺にやるのは別にいいけどさ……」
寧ろ嬉しいけど……
「他の男には絶対やるなよ」
「え?何で?」
コイツ……。
本当に何も分かってない……。
「そう気安く女の子が男に抱きつくもんじゃありません」
「そうなの?」
「そうなの。
……って、まさか……やったことねぇよな?
他の男に……」
「え?んー……そう言われてみると大和以外の男の子に……あ」
「は!?やったことあんの!?」
俺は後ろに抱きついていた栞奈を外し、まっすぐ向かい合って栞奈の肩を掴んだ。
「そういえばあったかも」
「かもじゃねぇよ!誰!?」
「え?あー……」
今まであっけらかんと何も気にせず答えてたのに、ここだけ答えを渋る栞奈。
誰だよ……。
「栞奈?」
「……アキ君」
「……は?」
「アキ君に一回だけしたことある」
……暁弥に。
あぁ……だから渋ったのか。
暁弥の名前を出すと俺が不機嫌になると思ったんだろうな、きっと。
実際に今、気分よくないけど。