青空バスケ
「あ、明日翔太にアイス奢らせなきゃ」
「花井君、大和にベッタリだよね。
いいなー、あんなに慕ってくれる後輩がいて」
花井翔太―ハナイ ショウタ―
いつも大和と1on1をしてる後輩。
大和が大好きな可愛い一年生。
「今年の一年はみんな筋がいいからな。
目標達成できるかもしれねぇぞ」
「目標って……」
「楽しみにしてろよ」
そう言ってあたしの頭にポンッと手を載せる大和。
「うん!」
インターハイ出場。
それがあたし達の目標。
去年は予選の決勝まで行ったけど、本選に行くことはできなかった。
鳴瀬先輩達も大和も……卒業していった先輩達も泣いてた。
あのときのことは今でもはっきりと覚えてる。
「あのさ、栞奈……もしインハイに行くことができたら……」
「ん?」
「……いや、何でもない」
……変なの。
そう思ったのは一瞬で、すぐにまたいつもの大和に戻っていた。