青空バスケ

その日は大事な決勝戦でした。

先輩達も意気込んでいて、準備万端。

……でも、ただ一人。

……アキ君だけは時間になっても来ませんでした。


「暁弥はどうしたのよ。
大和、栞奈。何か知らない?」


マネージャーの楓先輩がケータイを片手に聞いてきました。

いくら電話しても出なかったそうです。

でも、あたし達にも分かりませんでした。

真面目なアキ君が遅刻するなんて考えられないし……。

事故にでも遭ったんじゃないかって心配してました。


「……しょうがない。
今日はこのままで行くぞ」


部長の谷先輩の言葉にみんなが不安そうな顔をしました。

当時の光ヶ丘は大和とアキ君のコンビを中心としたプレースタイル。

その中心人物で部内トップの実力を持つアキ君が抜けることは相当な痛手でした。


……実際、アキ君の抜けた穴は埋めることができず、あたし達は負けました。

先輩達は悔しそうに顔を歪めてました。

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