青空バスケ

「え……谷先輩?
何で……ていうか、二人ともこんな時間に……」


栞奈が俺と谷先輩を交互に見て混乱してる。


「大和、毎日部活終わった後にここで夜遅くまで練習してたんだってよ」

「え!?毎日!?」

「そ。
お陰で今は体に疲れが溜まっちゃって。
なのに無理して練習しようとするから」


先輩……?


俺が驚いたように先輩を見れば、先輩も真剣な目つきで俺を見てきた。


「大和はバスケに関しては自分で制御できないからな。
誰かにストッパーになってもらった方がいい」

「……先輩、もしかしてそのためにわざわざ……」


おかしいと思ったんだ。

いくら俺がここで練習してるって聞いたからって、部活で疲れてるのにわざわざ夜にこんなところに来るなんて。


谷先輩はフッと小さく笑った。


「バスケ馬鹿な後輩を持つと大変なんだよ」

「先輩……」


谷先輩はポンと栞奈の頭に手を載せた。


「栞奈も大変だな。
この馬鹿の世話」

「……はい」


……頷くなよ、栞奈。


「じゃあ、俺もう帰るわ」

「え?」

「二人の時間を邪魔する程野暮じゃないしな」

「は!?
ちょっ……先輩!!」


……先輩はヒラヒラ手を振りながら帰ってしまった。

何だったんだ……一体。

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