青空バスケ
―翌日―
「高瀬先輩……何食べてるんですか……?」
「……抹茶豆腐ヨーグルト味のチョコ」
「うわっ……。
俺の近くで食うな。吐き気がする」
「南雲先輩……もしかしたら先輩も食べるハメになるかもしれないっすよ」
「はぁ?」
強くはなりたい。
だけど無理はしない。
谷先輩と再会して俺が学んだこと。
これ守らないと、抹茶豆腐ヨーグルトの刑だからさ。
……どんな拷問よりも厳しいよ、これ。
「栞奈、すげぇいいモン見つけてきたな」
「これがあれば少なくとも大和は言うこと聞きますよ」
「十分だ。
一番の問題児はアイツだからな」
何か栞奈と鳴瀬先輩の怖い会話が聞こえてきたような……。
「それおいしいのー?」
「……おいしく見えますか?」
「見えないー」
「夏樹、ちょっと毒味してみろよ」
「えー、レイレイがしてよ。
……あ、愁ちゃーん!!」
「食わねぇよ!!
何でお前らはそうやってすぐ俺を……」
「だって愁だもんな」
「愁ちゃんだからねー」
「お前らっ……!!」
仲の良い部活。
仲の良い先輩と後輩。
……それがどれだけ大切か、俺はよく知ってる。