青空バスケ
一旦家に入って荷物を置いたあと、大和のジャージを持って制服のまま外に出た。
いつものようにインターホンを押す。
……たまに押さないで入るときもあるけど。
大和ママいるかな?
お買い物行ってたらどうしよ……。
そんなことを思っていると、ガチャリと家のドアが開いた。
「はーい」
……聞き覚えのある男の人の声と共に。
大和じゃない、大和パパでもない。
大和のお兄ちゃんは……絶対違う。
「どちら様……って、あれ……」
お互いに見つめあったまま固まる。
ウソ……え……本物?
「……栞奈……だよな?」
「……ハル君?」
しばらく固まった後、ハル君が笑顔であたしの方に近寄ってきた。
「栞奈!久しぶり!!」
「ハル君ー!!」
まるで小さい頃のようにハル君に抱きつく。
大きくて優しいハル君。
そんなハル君が昔から大好きだった。